秘密の交換をしよう
お酒に弱いことくらい、数年前から把握してたことなのに……
自己管理がなってないし、人に迷惑かけたなんて……
「それで、あそこから一番近かった僕の家に連れてきたんだ。その途中、凛ちゃんが『私のほうが年下なので、敬語じゃなくていいです。あと、凛って呼んでください』と言ったので、その通りに」
結木さんにそんなこと、自分で言ったの?
なにしてるの、過去の自分……
「すみませんでした」
「ううん、これくらいどうってことないけど……凛ちゃん、今から帰る?」
なんと心優しいんでしょう……
申しわけなさが溢れ出そう。
「今何時ですか?」
「もう十二時になるんじゃないかな」
「ちょ、長時間お邪魔しました!」
これ以上居座ったら、完全に迷惑だよ!
さっさと帰らないと……!
側にあった自分の鞄を掴み、玄関に向かおうとした。
でも、それは結木さんに阻まれてしまった。
結木さんはしっかりと、私の右腕を掴んでいる。
「凛ちゃん、どうやって帰るつもり?」
「電車で」