光闇
「――…えっ!?」

なんて驚く暇もなかった。彼女の後ろから、また勢いよく人が入ってくる。


「おやおやお姫様。こんな弱そうな坊主、選んだのかい」

デカくて体格の良いおっさん。口髭まで蓄えてなかなかの男前。

そして、そのおっさんとまではいかないが、それなりに立派な体格の奴が2人いた。


「―…ってか、君お姫様なの!?」

「っえぇ…今は詳しく言えませんが…!」

彼女はとっさに俺の後ろに隠れる。

「お願いです、私をその人達から守って下さい!」



と言われても、だ。

今あるのは護身用の小さな剣。しかも滅多に使わないもの。
つまり――俺は戦えない。
いや、戦ったことがない。



「ま、守ってあげたいのは山々ですけど…俺戦えない…っ」

お姫様らしいからいちおう敬語。

「えっ…」

ものすごく驚かれた。しかし事実なのでしょうがない。
おっさんが笑いを堪えながら言ってくる。


「ふん、姫さん。そのボディーガード不良品みたいだな。あんたは殺さないけど…そっちのガキは…」


そのおっさんは背中からかなりデカい大剣を引き抜いた。そしてそれを構えてくる。
……嫌な予感。

「こんなことに巻き込まれた情けだ、楽に殺してやるよ」

「えっちょっ…!!」
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