17のとしに

ロス

 今日、中学頃に仲の良かったヒロに再会できた。俺とヒロ、そして同じ高校に通っているリトと3人で何気ない放課後の時間を送った。久々に会うとやはりヒロは身長が高くなったのかどうなのかそういうことを直接口に出さなくても内心思うものだ。俺は170センチ。前回会った時よりも伸びていたから恐らく180センチくらいはあるだろう
 同級生の5人で仲良くしたあの頃のように戻れないかとヒロは願っていたようだ。彼の気持ちはわからなくもない。俺はあまり興味がないけれど、リトは頑なに拒むだろう。それを見かねて俺は拒んだ。ヒロだって重々承知のはずだが…まあ、あいつのことだから俺らを気遣ってあんな発言をしたんだろう。関係が壊れたのは俺らにも原因があるから彼をとがめることはできない。しかし俺にだってクラや姫に対する偏見くらい存在するものだ。そこらへんはどうか許して欲しい。

 帰宅する。
「ただいま」
と2人の前よりもさらに小さな声で呟くが案の定誰も反応しない。そもそも今の時刻誰も家にいるはずがないのだが。両親は共働きで、年子の兄はソフトテニスに打ち込み、毎日帰りが遅い。運動部で毎日練習があるからなおさらか。もうすぐ引退して俺よりも早く帰ってくるようになるんだろうなぁ、悔し泣きとかするんだろうなぁとか頭の隅で考えていた。5時半を過ぎて若干薄暗くなった家の中。俺は冷蔵庫の中身を確認しに台所へ向かった。今朝聞いた話だと両親はかなり遅くなるらしい。それなら冷蔵庫にある残り物でいいやという考えだ。何とか、兄と俺が食べられるものは確認できたので新しく作らなくても大丈夫だ。足りなかったら自分で作ってもらうしかない。面倒だ。

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