17のとしに
「じゃ、待ってればいいし、予約しないでぞろぞろ行くか。周りに
店あるから暇つぶしできるし」
と俺。クラとリトは目を輝かせ
「やったぜ!」
「やったー!」
幼い子供のような感情表現の豊かさに驚いているとクラは颯爽と駅を飛び出していき、待て待てとリトが続く。残った3人はのこのことのろく続いていった。

 歩くこと約20分。汗だくでカラオケ店に到着し、なんなく入室することができた。カラオケ店は冷房が効いていて、汗がじんじんと冷えていくのを感じた。
「久々に来たわ」
カラオケ店独特の喧騒の中、ロスはぼそっと呟いた。彼の小さい声では聞き取るのがやっとだ。
「ロス、カラオケとか来るんだ?意外」
「結構リトとか高校の友達と来てるよ」
ロスの表情は薄いものの少しだけ得意げに首を傾げた、というところでうれしい記憶なんだなっていうことを感じる。リトばかりじゃないことを心の片隅で安心していた。
「ふうん、ここらへんとかに来てるわけ?」
「そうそう、近いからここが多いかもしれないなぁ」
駅から20分の間何してるんだろうとか、何話してるんだろうとか数秒ほど脳内を巡るがすぐに制止する。
「姫はきてるの?」
「ひ…ああ、私はあんまり来ないなぁ。半年くらい前までは来てたけど。最近全然外に出てなかったから…」
少々しどろもどろ、という感じだった。ああ、そうか。こういう系統の話になるとロスが気にしている話題になってしまうわけか。我ながらひやひやしていると、
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