17のとしに

解凍作業

ヒロと出会った、その日にクラにも再会してしまった。なんとなく5人で集まれて、それだけでいい気はしている。姫の消極的な部分も変わってないし、クラの明るさもだるんとした緩さも変わっていないかった。記憶が薄れているからだろうか。それでも、文字上だったからそこまで気にならないかった部分は否めない。けれど、ヒロに文句いう権利もないなあとロスに愚痴る程度で済んでいた。

ある夏の日。久々に5人で落ち合おう、という話になり電車でガタゴトと揺られ栄えている市内へ向かうことになった。…当然、夏休みのだらけた生活で生活習慣がダダ崩れしていた私とロスは当然8時代の電車に乗ることが出来なかった。グループチャットにて謝罪しながら9時代の電車にロスと乗り込む。通学時間が外れたからか学生は少なかったものの、遊びに行くであろうきゃぴきゃぴとした人々であふれかえっていた。
「夏は露出が多いなぁ」
「ね。私なんて地味なTシャツだよ」
何とか座れた向かい合わせの席。私とロスは片耳にイヤホンをしながら会話をしていた。
「いいんじゃない、そっちのほうが安全っしょ」
お情けばかりの小さな笑みだった。
「そうかなぁ」
子供っぽいが頬を膨らませる。私の服装と言えば地味な色の服にワンポイントある程度。下は七分のズボン。何となく10代女子の中に放り込まれたら埋もれて誰も気づけないくらいだろうなぁなんて思う。個性がないというか。


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