17のとしに
「別にいいと思うけどね。それで見つけてくれる人を選ぶできでしょ」
携帯を弄りながらロス。
「流石、経験のある人は違うなぁ」
「待ってよそれ黒歴史」
「だって私つきあった経験無いからね」
思わずため息をつく。ロスは目に見えてわかるほど苦笑をしていた。がたがたと圏外の区域を乗り越え、都会の街に行くにつれ、段々と人が降りていく。あと1駅と言うところで胸が痛くなり始めた。
「…ねえ」
「何?」
ロスに伝えるか、数秒迷ったが耐えきれず口からこぼれていた。
「姫もクラもいるんだよね」
「…もちろん、そうでしょ」
「いやになってきた。学校に行きたくないのと同じ気持ちになってきた」
胸が痛くて涙まで出てきそうだ。ロスの表情を確認することはできなかったが、困っているんだろうなぁと思っていた。
「…いやならドタキャンしてもいいんじゃないの。俺も若干気持ち渋ってるし。でもヒロ1人でクラ、姫は久々過ぎて大変だろうなって思って。行くけどさ」
行きたくないの気持ちがじんわりと胸の中を支配する。じくじくとして痛い。両手で顔を覆いながら目を閉じた。いやだいやだいやだ。学校と同じような義務感にまけてしまうような気持ち。
 私はあと1駅の10分の間、葛藤をすることになった。
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