17のとしに
姫は小さく笑った。私は知っている。姫は自主性がない。だから条件をこちらから提示しないと何も決まらないのだ。
「どっち先に行こうか。」
「…どっちでもいいよ」
「うーん」
この特徴は中学校の頃から変わっていないんだなぁと口角をあげながら考える。
「んじゃ、服を先に見に行こうか。3階だね」
「うん」
控えめに頷いた。ゆるやかにいらいらが私を蝕んでいく。空いているエスカレーターに乗って、1階から3階へ向かった。この階は婦人服売り場になっていてたくさんの女性ものの衣類が販売されている。
「若い子向けの店がいいよね」
「あっち側だったっけ?」
姫が10代20代あたりが好きそうな発色の良い服が並ぶ店を指さした。名前がしゃれた英語。Angelig。…英語が弱いから下手に読み上げるのはやめよう。8㎝ほど小さな姫の顔を横目で確認したが、暖かさを装った作り笑顔も少しだけ嬉しそうにしているように見えた。姫自身も私たち以外に親しい友人はいないからだろうか。こんなに敵対した見方をしてしまっている私が申し訳なってくる。私がいやでも姫、もちろんクラもまた仲良くしたいから、こうした中学自体の5人が実現したのだ。私も少しは考えるべきだろう。
「どっち先に行こうか。」
「…どっちでもいいよ」
「うーん」
この特徴は中学校の頃から変わっていないんだなぁと口角をあげながら考える。
「んじゃ、服を先に見に行こうか。3階だね」
「うん」
控えめに頷いた。ゆるやかにいらいらが私を蝕んでいく。空いているエスカレーターに乗って、1階から3階へ向かった。この階は婦人服売り場になっていてたくさんの女性ものの衣類が販売されている。
「若い子向けの店がいいよね」
「あっち側だったっけ?」
姫が10代20代あたりが好きそうな発色の良い服が並ぶ店を指さした。名前がしゃれた英語。Angelig。…英語が弱いから下手に読み上げるのはやめよう。8㎝ほど小さな姫の顔を横目で確認したが、暖かさを装った作り笑顔も少しだけ嬉しそうにしているように見えた。姫自身も私たち以外に親しい友人はいないからだろうか。こんなに敵対した見方をしてしまっている私が申し訳なってくる。私がいやでも姫、もちろんクラもまた仲良くしたいから、こうした中学自体の5人が実現したのだ。私も少しは考えるべきだろう。