17のとしに
「行ってみる?私行ったことないんだけど。おしゃれとか疎いし」
真っ白なワンピースを着て夏を満喫している姫と比較しても私の地味さは浮き出てしまう。地味な藍色のTシャツに焦げ茶色の七分ズボン。どう考えても今時のファッションに関して精通している人間とは誰もが思わないだろう。
そんな自虐をさほど気にせず、姫は
「行ってみよう。奈央も何か買おうよ。一着くらい」
「似合うのあるかなあ」
「あるって、行こう」
右手を引っ張りながら、駆け足でAngelingとかいう店に向かった。
…その際、心なしか腕の先端に向かって下がってく姫のアームカバーを見ていた。
「奈央は水色も似合うよね」
シャレオツな今時らしいTシャツを取り出しては私の胴体に当てて確かめる。
「私も水色好きだけど、明るいのとか肩露出するのは着たことないし。あんまりそういうことをする勇気がないんだよね」
はあ、とため息をつく。買う買わないはともかくとして着せ替えごっこをするのは楽しい。これが女の子の感情なんだなと感じるほどわくわく胸が高まっていた。
「これなんかどう?大きめのTシャツ」
突然姫は白色にかわいらしいおかっぱな少女がひとりたっているシャツだを取り出した。鬱々しい少女の表情、黒髪。ぐいっと引き寄せられ、凝視していた。
「いいね。この女の子好き」
「ね。いいよね。男の子の分もあるんだよ。ペアルックみたいな」
柔らかい笑顔で姫は続けた。
「初くんとかとペアルックとかしてみたら?」
「え」
悪意を感じたが、単純に勘違いだろうと心を落ち着かせる。ロスには好きな人がいるし、私がこんなクラや姫に執着してるのにペアルックするような関係なんてできるわけがない。
真っ白なワンピースを着て夏を満喫している姫と比較しても私の地味さは浮き出てしまう。地味な藍色のTシャツに焦げ茶色の七分ズボン。どう考えても今時のファッションに関して精通している人間とは誰もが思わないだろう。
そんな自虐をさほど気にせず、姫は
「行ってみよう。奈央も何か買おうよ。一着くらい」
「似合うのあるかなあ」
「あるって、行こう」
右手を引っ張りながら、駆け足でAngelingとかいう店に向かった。
…その際、心なしか腕の先端に向かって下がってく姫のアームカバーを見ていた。
「奈央は水色も似合うよね」
シャレオツな今時らしいTシャツを取り出しては私の胴体に当てて確かめる。
「私も水色好きだけど、明るいのとか肩露出するのは着たことないし。あんまりそういうことをする勇気がないんだよね」
はあ、とため息をつく。買う買わないはともかくとして着せ替えごっこをするのは楽しい。これが女の子の感情なんだなと感じるほどわくわく胸が高まっていた。
「これなんかどう?大きめのTシャツ」
突然姫は白色にかわいらしいおかっぱな少女がひとりたっているシャツだを取り出した。鬱々しい少女の表情、黒髪。ぐいっと引き寄せられ、凝視していた。
「いいね。この女の子好き」
「ね。いいよね。男の子の分もあるんだよ。ペアルックみたいな」
柔らかい笑顔で姫は続けた。
「初くんとかとペアルックとかしてみたら?」
「え」
悪意を感じたが、単純に勘違いだろうと心を落ち着かせる。ロスには好きな人がいるし、私がこんなクラや姫に執着してるのにペアルックするような関係なんてできるわけがない。