17のとしに
「リト、ついたけど」
「うわっ、びっくりした!」
携帯をいじっていたリトはびくっと体を揺らし目を見開いた。
「集中しすぎ、なんかの事件にあったらどうすんの」
「気を付けるって」
ふと手に提げている鞄を見ていた。それよりも、夏だというのに白い肌をしている。たまに遊ぶ以外ほとんど外に出ないといっていたからなぁ。そんなことをぼんやり考えながら、
「行くよ」
と進行方向へ視線をそらした。横目にうつった笑顔が形成されるような表情。好きだなぁ。反射的に感じていた。
「何か食べる予定あるの」
「んー、かき氷食べたいなぁ。ブルーハワイ」
リトは高校生なのかと思えぬほどにウキウキしている。気持ち声も大きくなっていて、変なことを話さないか若干ひやひやした。
「舌病人になるやつじゃん」
「それがいいんだって」
「俺はいちご味派だから、戦争だな」
軽くからかう。
「いちごって咳止めシロップの味するからあんまり好きじゃないんdなよね」
「そう重くかかってくる感じやめろよ…」
そういうとぶくっと頬を膨らませ、ロスだって同じじゃんと子供っぽくにらんだ。まあまあとなだめながらも、歩いていた。
 徐々に人の数が増えていてく。商店街に近くなるほど、当然のことながらざわざわとしたお祭りムードが俺たちを包み込む。普段の感情に楽しさが厚塗りされていくようだ。
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