17のとしに
「んで?どうだった?」
相変わらずチョコバナナをもさもさと食べながらリトは問うた。
「公民館の近くで待ってっててさ」
「了解ー」
逆方向へと俺たちは向かっていった。交通規制され始めている公民館周辺。普段は公民館に立ち寄る人々は多くはないが、今日となっては駐車場に遊んでいる子供たちや座り込みだべる若い人たちなどが見受けられた。ベンチも設置されているからな。
公民館へ向かい、うろうろしているるとそれらしき3人が見えた。一人は髪飾りに浴衣、隣にいる茶髪の男はおそらくクラで、黒髪短髪で2人よりも若干背が高い…ヒロか。
「お待たせ」
「待った待った」
ヒロが駆け寄ってくる。笑顔が前回遊んだときよりも柔らかくなっている気がした。リトもニコニコとチョコバナナの最後の一口をだべながら頷いていた。ヒロも安心したような顔をした。後ろからとたとたゆっくりと姫とクラが歩いてくる。
「よっすよっす」
「こんばんはー」
やはりクラも姫も祭り独特の楽観さに飲み込まれている気がする。自然に笑みもこぼれてく。道路の隅によりながら田立ち止まりしばらく話していた。クラと姫のからかいとか俺とリトとのからかいとか。ヒロは身長が高いよなぁとかそんなくだらない話である。
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