17のとしに
「本当誠也身長高いよな」
「そう?」
「俺たちを見下ろしてるじゃん」
俺がいうと、ヒロは照れ隠しをしながら笑った。クラは途端に顔を険しく寄せる。
「初がいうと俺なに、見下されてるの」
「それは被害妄想だろ」
3人の男の中で一番身長が低いクラ。毎回こうなってしまうから別に気にしなくてもとは思うが、俺もクラの立場だったらそう感じるだろうなぁと思っているので軽く笑う。
「そういう誠也は何センチなの?」
俺だってクラとひろの真ん中ではあるが、答え次第ではクラと同じ側に回る。感覚では気にしなくても数値になれば気になるものだ。
「え、180センチだけど」
「嘘でしょ?」
「初は何センチだっけ」
姫やリトが微笑ましく見ている。クラは絞りだしたような声で
「168センチ…」
姫が150センチ前半だからか、そこまでクラの身長について気になることはなかったから意外である。
「そんな低すぎでもなくね?」
慌ててヒロを見やると素直に首をかしげていた。今の彼からの言葉はクラにとって油を注ぐ行為にしかならないだろう。
「うるせえ!身長があるやつにはわからないんだ!」
「できるやつができないやつにいうのと同じなんだってば…」
思わず呟くと次は矛先が俺に向かった。
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