17のとしに
「奈央、もうなんか買ったの?」
先を歩くヒロが振り向きながら話かけた。今日の彼の服装もダボダボの普段より一回り大きなTシャツを着てジャージを履いてる。地元の祭りということでおそらく思い出作りに励む者と軽い服装で気軽に遊びに行く者で別れているんだろう。
「うん、買ったよ、やきそば」
「夕飯?」
「ううん、家族用」
「割りと多いね」
「いっぱい食べる妹弟がいるからねぇ」
俺もリトの弟と妹のことを思い返していた。
「小学生だもんね。」
「そうそう、めちゃくちゃ食べるからさ。もうしばらくしたら本人達も来ると思うけど」
「沢山いるのかあ。賑やかだな。」
「困ることもあるけどねえ」
笑い合いながら、屋台を見たりだらだらとしていた。
西側の朱色からだんだんと空が暗くなっていく。祭りの人口も増えていって、ザワザワとそれぞれの夏が垣間見えてくる。それを盗み聞きしながら、忘れながら、俺達は笑い合いながら過ごすのだ。あたりももうだいぶ薄暗くなって来た頃。ヒロはしきりに携帯を気にしている。
「そろそろビンゴゲーム始まるんだけど」
「いま何時?」
「8時」
もうそんな時間になっていたのか。クラたちと連絡が取れないらしいのかなんなのか、ヒロは少し待ってと人のいない方面へ走っていってしまった。
「ヒロ電話かな?」
「さあ、でも下手に動かない方がいいよね」
「そうね」
リトは先ほど買った300円の綿あめを美味しそうに食べている。さっきからリトは食べてばかりだな。
先を歩くヒロが振り向きながら話かけた。今日の彼の服装もダボダボの普段より一回り大きなTシャツを着てジャージを履いてる。地元の祭りということでおそらく思い出作りに励む者と軽い服装で気軽に遊びに行く者で別れているんだろう。
「うん、買ったよ、やきそば」
「夕飯?」
「ううん、家族用」
「割りと多いね」
「いっぱい食べる妹弟がいるからねぇ」
俺もリトの弟と妹のことを思い返していた。
「小学生だもんね。」
「そうそう、めちゃくちゃ食べるからさ。もうしばらくしたら本人達も来ると思うけど」
「沢山いるのかあ。賑やかだな。」
「困ることもあるけどねえ」
笑い合いながら、屋台を見たりだらだらとしていた。
西側の朱色からだんだんと空が暗くなっていく。祭りの人口も増えていって、ザワザワとそれぞれの夏が垣間見えてくる。それを盗み聞きしながら、忘れながら、俺達は笑い合いながら過ごすのだ。あたりももうだいぶ薄暗くなって来た頃。ヒロはしきりに携帯を気にしている。
「そろそろビンゴゲーム始まるんだけど」
「いま何時?」
「8時」
もうそんな時間になっていたのか。クラたちと連絡が取れないらしいのかなんなのか、ヒロは少し待ってと人のいない方面へ走っていってしまった。
「ヒロ電話かな?」
「さあ、でも下手に動かない方がいいよね」
「そうね」
リトは先ほど買った300円の綿あめを美味しそうに食べている。さっきからリトは食べてばかりだな。