17のとしに
じろりと俺を見つめる。そこまでリトを奈央と呼ばず、深い理由はなかった。リトからこの名前を使い始めたことに配慮しただけだったのだが。じわりじわりと痛みが来る。
「別に深い意味は無いよ。誠也と春希が本名呼びしてたから俺もそう呼んだほうがいいのかなって思って」
「ふうん」
「リトが奈央呼びにしろっていうなら奈央予備に戻すし、どっちでもいいよ」
息が詰まるかと思ったくらい、心臓がバクバクした。孤独感を覚える時よりも胸が脈打つ、感覚。呼吸が荒れないように必死だった。
「ううん、別にリトでいいんだけどさ。仲間外れみたいな気がしたから。」
「違うよ」
「うん、なら別にいいんだけど」
無理やりこじ合わせていた目をすっと逸らし、綿あめを食べ始めた。心臓の痛みが脈打つなか、声を絞り出した
「俺は奈央のことが好きなんだけどさ。」
ざわざわとしていた祭りの喧騒のなか、きちんと彼女に届いたかは分からない。彼女はただ、ビンゴゲームが行われるであろうステージを見ながら綿あめを食べていた。
恐らく、あっても10数分くらいの出来事だったと思うが俺には何時間にも感じる出来事だった。俺は心が弱い。だからリトが好きなクラが彼女を利用して姫の方へ行った時もチャンスのはずなのに、そうだそうだと隣に立った。険悪な雰囲気を一人で耐えきることが出来ないのだ。
「別に深い意味は無いよ。誠也と春希が本名呼びしてたから俺もそう呼んだほうがいいのかなって思って」
「ふうん」
「リトが奈央呼びにしろっていうなら奈央予備に戻すし、どっちでもいいよ」
息が詰まるかと思ったくらい、心臓がバクバクした。孤独感を覚える時よりも胸が脈打つ、感覚。呼吸が荒れないように必死だった。
「ううん、別にリトでいいんだけどさ。仲間外れみたいな気がしたから。」
「違うよ」
「うん、なら別にいいんだけど」
無理やりこじ合わせていた目をすっと逸らし、綿あめを食べ始めた。心臓の痛みが脈打つなか、声を絞り出した
「俺は奈央のことが好きなんだけどさ。」
ざわざわとしていた祭りの喧騒のなか、きちんと彼女に届いたかは分からない。彼女はただ、ビンゴゲームが行われるであろうステージを見ながら綿あめを食べていた。
恐らく、あっても10数分くらいの出来事だったと思うが俺には何時間にも感じる出来事だった。俺は心が弱い。だからリトが好きなクラが彼女を利用して姫の方へ行った時もチャンスのはずなのに、そうだそうだと隣に立った。険悪な雰囲気を一人で耐えきることが出来ないのだ。