17のとしに
「誠也だって紗那の頃にはたくさん勉強してたんだよ」
とげのある母親の言葉。俺はちくっとした程度のはずで、さっさと自室へ戻れば良かったのだが、足がふっと止まった。
「何が上は勉強してたからーだ。お前と父親比べられるのと同じだぞ!うちらを言い訳にして仕事してないくせに!」
「言い訳じゃないでしょ。紗那たちのことを思って家事やったりしてるんだよ」
少しだけ妹や声には涙が混じっていた。どうしようという気持ちが脳みそを支配する。
「言い訳じゃないでしょ。紗那たちの
ためを思って家事やったりしてるんだよ」
ちくり、としたものがどんどん広がっていく。逃げなきゃ、逃げなきゃと思っていても、どうにかしなきゃという兄貴ぶった理性が足を動かさない、ただただ全身が震え出す。
「そういう、なになにをしてあげるから必ず感謝しなかいとかっていうのは、私が普段、親の体裁のためにちゃんと学校行ってるんだから感謝しなさいってことよね。けどそれは違うよね。自分で選んだ義務だからやってるんだよね」
うぐっと母親は行き詰まった。俺の脳裏には妹と同じ頃、中学生くらいの思い出がよみがえっていた。俺は中学2年生くらいの頃、兄妹だからかは知らないが妹と同じ考えを持ってい生きていた。。当時3つの年の差が違うから、その当時は俺の気持ちなど分かってもらえないと思っていた。
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