17のとしに
「あ、誠也おはよ」
「おはよう」
同級生が、挨拶していく。普段過ごす上では「いつものこと」なのだが、昨晩の出来事のせいか、じんわりと涙が上がってきた。ああ、駄目だなぁなんて思いながら、俺は教室に入り、いつも通りの日々を送ろうとした。

 学校が終わると欠かさず携帯を弄るようになっていた。奈央や初とメッセージのやりとりをするためだ。なんだかんだいって2人に俺は寄りかかるようになり、メッセージのやりとりも暇な時間に遊ぶことも以前よりも増えていった。とは言え、季節は秋。徐々に進路を決める努力をせねばいけなくなっている。毎週会える訳ではないが、月に1、2度は会うようになっていた。
 申し訳ないなぁなんて考えながら、今日もジャージで駅へ向かっていた。別に電車を利用するわけではないが、1番わかりやすい集合場所ということで最寄り駅になったのだ。自転車を20分ほどかっ飛ばして、駅へ向かっていた。夏とは違い、もうそろそろ不必要に汗
をかくことも無くなる時期だから、と言う理由と家族と気まずくなってしまったという理由がある。ただ、体力はついて来たなぁと我ながら思う。
「お待たせ」
駅から自宅までの距離が短いからか分からないが、いつも奈央と初は早めに集合している。夏にあった遅刻事件を教訓にしているんだろうか。
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