17のとしに
 私とロスは地元の偏差値が40弱の高校へ進学し、ヒロは少し離れた場所にある偏差値が60以上の高校に進学した。私たちと頻繁に会えないほど勉強や部活動が大変らしい。休日も部活動の予定で埋まってることが多いからしく、テスト期間の部活動が休止になるために今回は会ってくれることになったのだ。なんだかんだいって最後に会ってから1年が経過している頃だった。
「ヒロがくるのって何時だったっけ」
「たしか4時半の電車」
「ちょっと余裕かなぁ」
ふと携帯の時刻を見ると4時20分。このまま歩いて行けば間に合うだろうか…。携帯から目を離す。気づけば周りも、駅の近くとあって人口が増えてきた。電車がきたと知らせる音もあいまり、私たちは少し早足になる。待ち構えていてもすぐにヒロが現れる訳ではないのだが、そこは気持ちだろう。
「あと5分です」
「いちごオレ飲み終わった?」
「とっくに」
「なら走ろう、間に合わない」
「別に良くない?すぐにヒロが出てくるわけでもないんだから…」
「気の持ちようでしょ!走って!」
ええ、俺体育2だようとぶつくさいいつつ、ロスもともに駅に向かって走っていた。せっかく、会いに来てくれたんだからこれくらいという気持ちなのだが、ロスはあまりそういう心遣いを意識しないらしい。
 なんとかヒロが駅から出てくるまでに到着したが、帰宅部で運動をほとんどしない私たちの体力は底をついていた。
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