17のとしに
「それにまなみ引きこもってるし、あと高校やめてるもんね。その分が全部春希にかかるってことか」
「そういうことだよね」
一瞬の沈黙が流れ、ロスが自らの机にへばりついた。
「もうそんな話聞いてる俺が具合悪くなっちまうよ。解決策は見つからないしさ」
「話聞く体制を緩めればいいんじゃないの」
「…春希何もやってないわけじゃないんだよ、バイトも週5くらいでやってるしさ。その状態で俺を頼ってきたんだからよほどつかれてるんだろうなって思うとちゃんと返信するんだよなぁ」
天井を仰ぎ、はあ、とため息をついた。彼にもこういう一面もあるんだなぁと思っていた。
「ま、ロス聞き慣れてなくて大変だろうから手伝いはするよ、私は余裕あるし」
「あとで話すわ…」
私は頷き、そろそろ準備せねばとロスの席を離れた。

 学校が終わり、いつも通りに私とロスは下校の準備を万端にして教室をでた。
「あと2ヶ月で1年終わるんだ」
ふとロスが呟いた。
「今年度は3月までだけどね」
「3月って春希の誕生日じゃ無かったっけ」
「確か。年度末近かったよな」
ロスは頷く。確か中学校のころ。春希と親しくなったのが3年の夏あから秋にかけてだったので彼の誕生日の頃には私たちはもう卒業してしまい、祝うことができなかったという記憶がある。
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