17のとしに
「久しぶりー!」
相変わらずな大きな声は機嫌の良さを物語っていた。嬉しいなぁと口だけで笑っていた。体力のない私たちは呼吸がぜえぜえとあれていた。何とかかすれた声で私たちも「久しぶり」と返した。
「リトがギリギリなんて珍しいなぁ。…ロスがゆっくりしてたのか?」
「せっかく気を遣って早く来てあげたのに」
「まあ、私が走ろって言ったんだけどね」
ロスは顔をしかめた。それを吹き飛ばすようにヒロはけらけらと笑う。最後にあったときと同じ、雰囲気だ。懐かしさとともに一欠片ほどの切なさを感じる。
 私は1年前と変わらない3人でいられることを感謝しながら自宅に帰るまでの1時間程度をともにつぶすことにした。コンビニに行ったり、人のいない街をぶらぶらして過ごしたり、頭をきーんとさせながらもアイスを食べたり。くだらないことや自分の近況について語った。
 興奮した熱も、気温も徐々に下がって来た頃。ふっとヒロが口を開いた。
「二人ともクラたちと連絡取ってる?」
とっさに言われた言葉はちくっと胸を刺した。
「俺はとってないよ」
「…私もとってないかな」
ロス声のトーンを下げながらもさらりと言った。そんなあっさりできる彼が羨ましく感じてしまう。何とか発したものに言葉の余韻の苦さが口の中に残った。
「そっか、もう仲良くはできないか」
意識されていることに意識してしまう。ちくちくとした胸が痛い。
「できるわけないじゃんな。俺はもう無理だとおもうよ」
ロスは変わらず無表情だった。
 私はぎこちなく頷くことしかできない。
「ヒロ、もう無理だよ。円満にはなれないんだよ」
「でも」
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