17のとしに
「はい、初」
初のあだ名はロス。ロストワン。大人しく、目立たない。自分に自信がなく、自己主張しない。消極的でいるのかいないのかわからない存在になりがちな特徴がある。
「…これは、どうなんだろ。俺よくわかんない」
ノートを広げながら初は言う。これは奈央が一番わかるだろう。
「え、春からだけでも初よく動いてくれるようになったよね」
最初に言ったのは誠也だった。
「え、嬉しい」
確かに無表情から感情がこぼれだしていく。俺も初の状態についてはなんとなく分かっていた。
「初は、元々強いよね。自信が無いわけではないけどもっと自信もって欲しいとは思うよ」
優しい声で奈央は言った。初は数秒奈央を見つめていた。すぐに、口をつぐんだ。ああ、本当に俺とまなみより認めている関係なのだろうなあ。少々、切なくなった。
「じゃ、最後奈央」
奈央は顔をしかめ、
「全くわかんない」
「えっ」
一瞬だけ空気が凍った。俺は
「いや、何かしらあんじゃん。縛られないで」
「いいところあるよ。人のこと考えて行動するし」
まなみは少々戸惑っているところだった。ごくん、と一回唾を飲み、初はいつもよりずっと大きな声で言った。
「俺の個人の意見だから。あんまり気にしないで欲しいけど、奈央はキャパオーバーになるまで頑張るじゃん。なかなか人間関係苦しむけど、そんなところも含めて奈央だと思うんだ」
初のあだ名はロス。ロストワン。大人しく、目立たない。自分に自信がなく、自己主張しない。消極的でいるのかいないのかわからない存在になりがちな特徴がある。
「…これは、どうなんだろ。俺よくわかんない」
ノートを広げながら初は言う。これは奈央が一番わかるだろう。
「え、春からだけでも初よく動いてくれるようになったよね」
最初に言ったのは誠也だった。
「え、嬉しい」
確かに無表情から感情がこぼれだしていく。俺も初の状態についてはなんとなく分かっていた。
「初は、元々強いよね。自信が無いわけではないけどもっと自信もって欲しいとは思うよ」
優しい声で奈央は言った。初は数秒奈央を見つめていた。すぐに、口をつぐんだ。ああ、本当に俺とまなみより認めている関係なのだろうなあ。少々、切なくなった。
「じゃ、最後奈央」
奈央は顔をしかめ、
「全くわかんない」
「えっ」
一瞬だけ空気が凍った。俺は
「いや、何かしらあんじゃん。縛られないで」
「いいところあるよ。人のこと考えて行動するし」
まなみは少々戸惑っているところだった。ごくん、と一回唾を飲み、初はいつもよりずっと大きな声で言った。
「俺の個人の意見だから。あんまり気にしないで欲しいけど、奈央はキャパオーバーになるまで頑張るじゃん。なかなか人間関係苦しむけど、そんなところも含めて奈央だと思うんだ」