嵐王


学校に着くとジロジロと見られる。


「え、あの子誰!?」


「もしかして…『嵐王』の姫!?」


主に女子から悲鳴に似た声が
そこかしこから聞こえる。


『ほら、こうなるから嫌なのに。』


私に向けられる嫉妬や羨望の視線。


「それなら他の族に攫われて
もっと酷い目に遭いたいですか?」


…鬼だ。


「ウッザぁー…女って猿みたいに鳴くよね。
キーキーキーキーうるさい。」


悪魔だ。


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