嵐王
「あんだけ偉そうに言ってもうお終い?」
ガッ!
髪を掴まれ、そのまま上を向かされる。
ズル…
そのせいで隠してた本来の髪が
露(あらわ)になった。
「この…髪の色!それにそのピアス!!」
赤とは違い、真紅と呼べる程の髪。
加えて『朱雀』の形をしたピアス。
言い訳しても無駄な証拠が揃った。
「アンタ…『朱雀』の元姫だったのね。
裏切り者じゃない!」
ウラギリモノ…。
その言葉が私の胸に深く突き刺さった。