嵐王


「皆さーん!
コイツ『朱雀』の裏切り者でぇーす!!」


大声で周りに伝える姿に私は唇を噛み締める。


「それでー?
今度は『嵐王』を手玉に取って裏切んの。」


ドンッ!


強く押され、その衝撃で傷が痛む。


『痛っ!…ッ……う…。』


もう、逃げる事も抵抗する余裕もない。


「そこに何か隠してんの?」


『触んないで!!』


痛みを堪える為に強くそこを握ってたのを
勘違いしたのか服を捲(めく)ろうとする。


バッ!


私の抵抗も虚しく、その傷は晒(さら)された。


"の〜あちゃん♪♪お似合いだよ♡"


『いやあぁぁぁぁーーーー!!!!』


思い出したくもない光景が頭の中を埋め尽くし
そこで意識が途切れた。


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