嵐王


「おい、テメェー…誰が「裏切り者」だって?」


「髪の色とピアス!
『朱雀』の裏切り者じゃない!!
その傷も物語ってるし…。

でも、裏切り者にはお似合いね(笑)」


ガァーン!


蹴り飛ばした椅子が
女の顔スレスレを通過し、壁に当たった。


「あ…あ………。」


怖くなったのか床に座り込む女を
冷たく見下ろす。


何も知らないコイツらに何を言っても無駄。

信歩も…そう思っていたから
諦めていたのかも知れない。


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