嵐王


『…スー……スー…。』


静かに眠っている事で少しは安心する。


"お願い、信じて。"


あの言葉は俺達に向けてじゃない。

仲間だと信じていた『朱雀』に向けて…。
でも、信歩の想いは伝わらなかった。

目が覚めた時、俺は信歩になんて言えば良い?


手帳を開き、ペンを走らせる。

途中で何度も書き直しながらも
俺が伝えたい事を綴(つづ)った。

信歩に少しでも俺の気持ちが伝わる様に。


紫苑sideEND


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