嵐王


『はは…やってくれるッ!』


もう、笑うしかない。

泣いたって訴えたって届かないんだから。


何もかも燃えてしまった。
楽しかった日々を映した写真も…何もかも。

炎に飲み込まれて。


『今頃、どこかで嘲笑ってるでしょ…?』


『嵐王』の倉庫に泊まった判断が良かった。
あのまま帰ってたら私は…。


チャリッ…


左耳のピアスに触れる。


『…上等……どっからでも来なさいよ!』


もう、逃げないって決めたから。


< 345 / 523 >

この作品をシェア

pagetop