嵐王
『はは…やってくれるッ!』
もう、笑うしかない。
泣いたって訴えたって届かないんだから。
何もかも燃えてしまった。
楽しかった日々を映した写真も…何もかも。
炎に飲み込まれて。
『今頃、どこかで嘲笑ってるでしょ…?』
『嵐王』の倉庫に泊まった判断が良かった。
あのまま帰ってたら私は…。
チャリッ…
左耳のピアスに触れる。
『…上等……どっからでも来なさいよ!』
もう、逃げないって決めたから。