嵐王
捺央side
ドクン…
部屋は冷房が効いてる筈なのに汗が出る。
「なぁ…紫苑の奴。
スゲェー動揺してなかったか?」
「そうですね。
それに、自宅を【売り払ってくれ】と?
紫苑が倉庫に寝泊まりするのと
何か関係があるんですか、捺央。」
ドクッ!
「…捺央くん。」
「朱音さん…。」
朱音さんの綺麗な朱と蒼のオッドアイが
静かに俺を捉える。
「ッ…。」
耐え切れなくて目を背けた。
駄目だ、朱音さんは俺みたいに心を読めないのに
全てを見透かされてるみたいで。