嵐王


紫苑の家は凄く広い。

それは、一人じゃ孤独を感じる程。


『おっきい家だね!』


気まずい雰囲気にそんな事しか言えない。


【朱音さんにこの家を売ってくれる様に
頼んだんだけどな。

部屋を見る限り掃除もされてるから
元々売るつもりなんてなかったらしい。】


…え?


『売るって……。』


【そのまんまの意味だ。】


いつもの紫苑じゃないと思う位に冷たい瞳。

それは、皆が言う『白夜叉』だと思った。


< 359 / 523 >

この作品をシェア

pagetop