嵐王


紫苑と俺がまだ小さい頃、
車で遊園地に向かう途中で事故は起きた。

原因は俺の飲みかけのジュース缶。

それがブレーキ下に転がり、
カーブを曲がりきれずに壁に衝突した。


紫苑の両親は即死だった。


「そのせいで紫苑は声が出なくなって、
逆に俺は感情を読めるようになった…。」


その事を話した時、
紫苑は俺から目を逸らし…感情を隠した。

俺は声だけじゃなく、
感情を押し殺す事までさせてしまったんだ。


捺央sideEND


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