嵐王
棗side
「無駄話はもぉ飽きたぁ〜…。」
瑠愛が退屈そうに言うと周りの奴らが
血相を変えて襲って来る。
「ほらほらぁ〜!
お姫様を守らないと酷い目に遭わせちゃうよ♪」
『嫌ッ!』
数が多過ぎて手こずってると
信歩と引き離されるのが目に入った。
「信歩ッ!!」
俺は、俺はまた守れないのか?
『朱雀』も惚れた女さえも。
手をいくら伸ばしても空を掴むばかりで
何もかも俺の手からすり抜けて行く。
棗sideEND