嵐王
私の衝撃的な発言に紫苑だけが驚かず、
他は目を見開いている。
「面白くない冗談言うの僕嫌いなんだけど…?」
「そうだよ!
だって、噂での容姿とも全然違う!!」
『冗談でもなんでもないよ。
これ見せれば分かる?
髪はウィッグで目はカラコンで誤魔化してる。』
見せたのは左耳にした『朱雀』のピアス。
これが姫の証。
「は!
じゃあ、俺らはお前に遊ばれてたって訳か!?」
『先に関わって来たのはそっちでしょ。
私は何もしてない。』
皆も視線が私を貫く。
この感じ…あの時と同じで心が痛い。