嵐王


棗side


掌に置かれたピアスを見つめる。


「これが戻って来る時がくるなんてな…。」


…ッ…泣くな!俺に泣く資格なんかッ!!


「良いんじゃない?泣いたってさ。」


「お前は…。」


『嵐王』の副総長。


「信歩が『朱雀』を出てからも守ってたでしょ。

他の族に拉致られそうになった時に
影から助けたのも、
俺と追いかけっこしたのも君でしょ?」


「…何もかもお見通しか。」


族の中でも噂になっていた。
『嵐王』の副総長は人の心を読み取れると。


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