嵐王
「…ッ!……な……て!!」
殆ど言葉になっていないけど、俺には分かる。
バシッ!
避けるのを止め、拳を受け止める。
「うん…ごめん……。」
紫苑の感情が流れ込んでくる。
馬鹿野郎、一人で背負い込みやがって、
誰もお前を責めてねぇ、
俺の声が出なくなったのは俺が弱かったから、
お前のせいなんかじゃねぇ!!
「馬鹿だなぁ…紫苑……。
俺は恨まれても文句言えないのに…。」
言葉とは反対に涙が出た。
捺央sideEND