嵐王

居るべき場所



『ちょっと…電話していいかな……?』


「そんなもん倉庫に行きゃ済むじゃねぇーか。」


『そうじゃなくて…その……。』


言い淀(よど)む私を見て皆が首を傾げる。


「は、は…おやか?」


『…ッ!……うん…。』


画面にはお母さんと表示されている。

この街に私だけ引っ越した後、
お母さんとは一度も連絡を取っていなかった。


"お母さん、疲れたのよ…。"


それが、お母さんとの最後。


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