嵐王
紫苑side
「何が言いてぇ…。」
【信歩自身言ってただろ。
『先に関わって来たのはそっち』だって。
俺達を利用するつもりなら
初めから取り入ろうとする筈だろ。】
「それが芝居とは考えないんですか?」
アイツは芝居を出来ない程素直だ。
「でも…それなら姫になるって
紫苑は考えたんだね?」
【捺央の言う通りだ。
でも、信歩はそれを断った…そうだろ?
利用するつもりなら断る理由はない。】
俺がどうして信歩が『朱雀』の元姫と知り、
皆に秘密にしたのか、
言ったら突き放すと分かっていたから。
元姫としてじゃなく信歩自身を見て欲しかった。
紫苑sideEND