嵐王
そんな事を言われているとは知らない私は、
「ねぇ、暇?」
「暇なら俺らと遊ぼーぜ!」
しつこい男二人に逆にナンパされていた。
もー…なんなの?
正体不明のフード野郎の次はナンパとか。
ウザったいんですけど!
買いたい物は買えて後は帰るだけだったのに…。
「話聞いてるー?」
『悪いけど急いでるんで。』
「またまたぁ♪ほら、行こ行こ!!」
グイッ!
『ちょっと!しつこいんだけど!!』
最初にこの街に来た時もこんな事が
あったけど、あの時も紫苑が助けてくれた。
でも…これは自分でなんとかしないとッ!
「はい、ストーップ。
アンタら女の子相手に随分乱暴ね。」
「そんな事してるからモテないんだよん♪」
声を掛けて来たのは二人共同じ顔で、
綺麗な朱と蒼の瞳をしている女の人だった。