嵐王
白銀の髪と紫色の瞳。
恐ろしい程綺麗で目が離せない。
その人が男の腕を離すと、
「すんませんでしたぁー!!」
情けない足取りで男は逃げて行った。
『あの…!』
声を掛けると男が逃げた方向から
私へと目線を変える。
この人…多分……ううん、絶対一般人じゃない。
関わらないと決めたのに早速関わってしまった。
でも、この人のせいじゃない。
『助けてくれてありがとうございます!』
頭を下げてお礼を言った。