嵐王
『信じてる?信じろ?
そうやって言う奴程裏切るのよ!』
この場に居る事が耐えきれなくて
最後に言い捨てて屋敷を出た。
本当は「潔白だと思っている」と言われて
嬉しくなかった訳じゃない。
でも、私にとっては『朱雀』が全てだった。
ズキッ!
『痛っ!』
この傷が痛む度にあの光景を思い出す。
貴女達には分からない。
今まで信じてきた仲間に裏切られた事のない
貴女達に私の気持ちなんて分かる筈が。
『…分かる筈がないッ!』
そうやって自分に言い聞かせた。