ここからはじまる恋
「由良、忠告ありがとう。よそはよそ、うちはうちだ。気にもならないよ」
「そう? それなら良かった」
由良はそう言うと席を立った。歯科医ではなく、別の道に進学した由良。お父さんはなにも言わないけれど、やっぱり由良には跡を継いで欲しかったに違いない。そして由良も、お父さんの気持ちがわかるから、なんとなく距離を置いている感じがする。
今日も、私がいたから、由良はチラシを持ってきたのであって。お父さんひとりなら、ここには来ないだろうし、由良も、お父さんには近寄りもしないだろう。
仲が悪いわけではないけれど、なんとなく残念な気がしてならない。
「さぁ、そろそろお母さんになにかデザートでも買って帰ろうか?」
お父さんが立ちあがり、私が慌てて後に続いた。
「七階にあるチョコレート専門店がおいしいよ」
お父さんの腕に、自分の腕を絡める。大人の男性になら、してもいい気がして。
「そうか。お母さんもチョコレートが好きだから、ちょうどいいね」
娘に懐かれて、サラリと受け入れるお父さん。やっぱり理想の男性像だ。
「そう? それなら良かった」
由良はそう言うと席を立った。歯科医ではなく、別の道に進学した由良。お父さんはなにも言わないけれど、やっぱり由良には跡を継いで欲しかったに違いない。そして由良も、お父さんの気持ちがわかるから、なんとなく距離を置いている感じがする。
今日も、私がいたから、由良はチラシを持ってきたのであって。お父さんひとりなら、ここには来ないだろうし、由良も、お父さんには近寄りもしないだろう。
仲が悪いわけではないけれど、なんとなく残念な気がしてならない。
「さぁ、そろそろお母さんになにかデザートでも買って帰ろうか?」
お父さんが立ちあがり、私が慌てて後に続いた。
「七階にあるチョコレート専門店がおいしいよ」
お父さんの腕に、自分の腕を絡める。大人の男性になら、してもいい気がして。
「そうか。お母さんもチョコレートが好きだから、ちょうどいいね」
娘に懐かれて、サラリと受け入れるお父さん。やっぱり理想の男性像だ。