ここからはじまる恋
天空デンタルクリニック
①
四階、クリニックフロアには、内科と婦人科があり、天空デンタルクリニックが新たに加わった。
やはり、土曜日のクリニックは混む。どこも人の出入りが多いな……。
天空デンタルクリニックの自動ドアを開けて中に入ると、ソファに三人、患者さんが待っていた。思いの外、空いている……。
待合室のソファから、視線を受付に向けた。
「おはようございます」
耳に優しく響く、声。期待は裏切らない、甘いマスクの男性が、受付をしていた。
「あ、お、おはようございます! 先ほど、電話をした者ですが」
期待以上の男性が、受付をしていたものだから、心が弾んで、声まで弾む。
「歯のクリーニングですね? 保険証はお持ちですか?」
そう言われて、慌てて保険証を差し出した。
「鶴岡紗良さん」
私の名前を呼ぶと、優しく微笑んだ。
お父さん、ごめん! 腕の問題ではなくて……。これは、女性患者がここに流れても仕方がないよ。
受付の男性が、人気俳優並みのかっこよさなんだもん。この人に名前を呼ばれただけで、ときめいてしまう。
「今日は土曜日で混み合っておりまして……。十一時半以降になりますが、よろしいでしょうか?」
ああ。受付の男性の、申し訳なさそうな顔! こちらこそ、ごめんなさい。そう思いながら、「はい」と返事をした。
やはり、土曜日のクリニックは混む。どこも人の出入りが多いな……。
天空デンタルクリニックの自動ドアを開けて中に入ると、ソファに三人、患者さんが待っていた。思いの外、空いている……。
待合室のソファから、視線を受付に向けた。
「おはようございます」
耳に優しく響く、声。期待は裏切らない、甘いマスクの男性が、受付をしていた。
「あ、お、おはようございます! 先ほど、電話をした者ですが」
期待以上の男性が、受付をしていたものだから、心が弾んで、声まで弾む。
「歯のクリーニングですね? 保険証はお持ちですか?」
そう言われて、慌てて保険証を差し出した。
「鶴岡紗良さん」
私の名前を呼ぶと、優しく微笑んだ。
お父さん、ごめん! 腕の問題ではなくて……。これは、女性患者がここに流れても仕方がないよ。
受付の男性が、人気俳優並みのかっこよさなんだもん。この人に名前を呼ばれただけで、ときめいてしまう。
「今日は土曜日で混み合っておりまして……。十一時半以降になりますが、よろしいでしょうか?」
ああ。受付の男性の、申し訳なさそうな顔! こちらこそ、ごめんなさい。そう思いながら、「はい」と返事をした。