ここからはじまる恋

翌日は、久しぶりのデート。彼が忙しいのは、仕方がないこと。だって、世界三大コンサルであるJOMで働く、超エリートだから。

今日は、付き合い始めてちょうど一年。彼の方から『話したいことがある』と、時間を作ってくれた。

『話したいこと』って、なに? ひょっとして、ひょっとするかも!? なんてウキウキしながら、待ち合わせ場所へと向かった。

彼は、待ち合わせ時間よりも早く来て待っていた。久しぶりに会えたのに、彼の表情は冴えない。

「久しぶりに会えたのに、ごめん。食事が済んだら、すぐに行かないといけないところがあって」

あ、また。仕事か……。

「いいよ。こちらこそ、ごめんね。一年記念日だから、時間を作ってくれたんでしょ?」

仕方ないと割り切り、笑顔を見せると、彼は苦笑いを浮かべた。

「オレの都合で申し訳ないけれど」

彼はそう言うと、オフィス街の中でもひと際目立つオフィスビル‘‘B.C. square TOKYO’’に入っていった。


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