ここからはじまる恋
②
お父さんと一緒に家に入ると、コーヒーの香りに包まれた。
「おかえりなさい、紗良」
お母さんも、心配している感じはなく、淹れたてのコーヒーをテーブルに並べた。
「どうしてふたりとも、私を怒らないの?」
椅子に座りながら、ふたりを交互にみつめた。
「新庄先生から連絡をいただいてね。紗良、少し飲み過ぎたみたいだな」
呆れ顔で、それでいて笑顔で、お父さんが言った。
「連絡?」
「ああ。空さんのBarで飲み過ぎたから、明日の朝、送ります……って」
たしかに。新庄先生の言っていることは、正しい。でも、疑問点だらけだ。
香り高いコーヒーを口にしながら、頭の中を整理してみる。
まず、なぜ新庄先生が私の自宅と連絡先を知っているのか……。
空さんから聞いた? 一度、新庄先生の歯科医院に行ったから、住所や連絡先はわかるもんね。
そう考えてもひとつ、引っかかること。
なぜ、空さんではなく、わざわざ新庄先生が両親に連絡をして、私を送り届けてくれたのか……。
「おかえりなさい、紗良」
お母さんも、心配している感じはなく、淹れたてのコーヒーをテーブルに並べた。
「どうしてふたりとも、私を怒らないの?」
椅子に座りながら、ふたりを交互にみつめた。
「新庄先生から連絡をいただいてね。紗良、少し飲み過ぎたみたいだな」
呆れ顔で、それでいて笑顔で、お父さんが言った。
「連絡?」
「ああ。空さんのBarで飲み過ぎたから、明日の朝、送ります……って」
たしかに。新庄先生の言っていることは、正しい。でも、疑問点だらけだ。
香り高いコーヒーを口にしながら、頭の中を整理してみる。
まず、なぜ新庄先生が私の自宅と連絡先を知っているのか……。
空さんから聞いた? 一度、新庄先生の歯科医院に行ったから、住所や連絡先はわかるもんね。
そう考えてもひとつ、引っかかること。
なぜ、空さんではなく、わざわざ新庄先生が両親に連絡をして、私を送り届けてくれたのか……。