ここからはじまる恋
③
なんとか苦戦しながら、ペスカトーレを食べ終わった。おいしかったけれど、こんなにも緊張したランチタイムは初めてかもしれない。
『あなたに会うための口実』と言ってもらったけれど、どう返事をしていいのかわからず、『はぁ』としか言えなかった。
「ティラミス、食べますか?」
それでも空さんは気にしない様子で、私に笑顔を見せた。
こんなとき、男性慣れをした大人の女性なら、どんな返事をするのだろうか。自分が子どもであるのを思い知り、落ち込みそうになりながらも、笑顔でうなずいた。
「その笑顔、癒されます」
また! どう返事をしたらいいの? 頬はますます真っ赤に染まった。
ティラミスを注文した後で、空さんが名刺ケースから一枚、名刺を取り出すと、ボールペンでなにやら書き始めた。
「これ、連絡先です」
「へ……」
「連絡、お待ちしています」
間の抜けた返事しかできない私に、空さんは間髪入れずに続けた。
「は、はい……」
声を絞り出して返事をすると、空さんは優しい笑みを浮かべた。
『あなたに会うための口実』と言ってもらったけれど、どう返事をしていいのかわからず、『はぁ』としか言えなかった。
「ティラミス、食べますか?」
それでも空さんは気にしない様子で、私に笑顔を見せた。
こんなとき、男性慣れをした大人の女性なら、どんな返事をするのだろうか。自分が子どもであるのを思い知り、落ち込みそうになりながらも、笑顔でうなずいた。
「その笑顔、癒されます」
また! どう返事をしたらいいの? 頬はますます真っ赤に染まった。
ティラミスを注文した後で、空さんが名刺ケースから一枚、名刺を取り出すと、ボールペンでなにやら書き始めた。
「これ、連絡先です」
「へ……」
「連絡、お待ちしています」
間の抜けた返事しかできない私に、空さんは間髪入れずに続けた。
「は、はい……」
声を絞り出して返事をすると、空さんは優しい笑みを浮かべた。