ここからはじまる恋

それから一週間も経たないうちに、空さんからメールが届いた。

『日曜日の夜、一緒に食事をしませんか？ お互い、翌日は仕事もありますし、無理にお酒は勧めません』

空さんの、私を思いやるメールに、胸の奥が締めつけられそう。迷うことなく、誘いに乗った。

『返信、ありがとうございます。では、日曜日の夜、十八時に、五十四階のBarまでお越しください』

あれ？ Barってたしか、日曜日は定休日だったはず？ 小首を傾げながら、わかりましたと返事をした。

『日曜日が、素敵な夜になりますように』

そんな、大人の男性を思わせるひと言をもらうと、ますます思いが溢れ出す。

ああ、私、空さんと恋におちる寸前まできているんだ。優しい言葉をくれたり、手を握ってくれたり。空さんは、私を好きなんだろうか？

空さんの気持ちはわからないけれど、私が空さんを好きなのは、間違いない。