ここからはじまる恋
②
‘‘B.C. square TOKYO’’の五十三階。窓の外には、都会の夜景。店内はシャンパンゴールドの色調、椅子やテーブルは黒で統一されていて、高級感漂う。
『おしゃれをしてきてくださいね』
空さんは、メールの最後にそう記していたけれど……まさか、こんな高級レストランに誘われるとは! お気に入りのワンピースで、いつもより上品な格好をしていてよかった……。
「少し、緊張している?」
目の前で、空さんが優しい笑みを浮かべた。こんなに優しい笑みを見せる人が、私を眠らせるようなこと、するはずがない。確信すると、自然と頬が緩んだ。
「こんな高級レストランに来たのは、初めてで……」
それと、おしゃれなジャケットをサラリと羽織る、空さんが目の前にいるせいで……。
「僕だって、いつもいつもこんな高級レストランで食べているわけではありませんよ?」
笑顔を消して私をみつめる目に、身動きが取れなくなる。
「かわいいあなたを、もてなしたいからですよ? 紗良さん」
……そんなことを言われると、息が止まりそうなくらい、胸の鼓動が早くなる。
そうなるともう、空さんのペース。気になることを、問いただせない。
もういいや。私は空さんを好きで、空さんも私を『かわいい』と言ってくれている。
私のことを好きかどうかはわからないけれど、嫌いな女性をこんな高級レストランに連れてくるはずがない。
「乾杯」
今夜も、お酒に弱い私のために、ノンアルコールカクテルを注文してくれた。たったひと口で、心まで充たされるようだ。
『おしゃれをしてきてくださいね』
空さんは、メールの最後にそう記していたけれど……まさか、こんな高級レストランに誘われるとは! お気に入りのワンピースで、いつもより上品な格好をしていてよかった……。
「少し、緊張している?」
目の前で、空さんが優しい笑みを浮かべた。こんなに優しい笑みを見せる人が、私を眠らせるようなこと、するはずがない。確信すると、自然と頬が緩んだ。
「こんな高級レストランに来たのは、初めてで……」
それと、おしゃれなジャケットをサラリと羽織る、空さんが目の前にいるせいで……。
「僕だって、いつもいつもこんな高級レストランで食べているわけではありませんよ?」
笑顔を消して私をみつめる目に、身動きが取れなくなる。
「かわいいあなたを、もてなしたいからですよ? 紗良さん」
……そんなことを言われると、息が止まりそうなくらい、胸の鼓動が早くなる。
そうなるともう、空さんのペース。気になることを、問いただせない。
もういいや。私は空さんを好きで、空さんも私を『かわいい』と言ってくれている。
私のことを好きかどうかはわからないけれど、嫌いな女性をこんな高級レストランに連れてくるはずがない。
「乾杯」
今夜も、お酒に弱い私のために、ノンアルコールカクテルを注文してくれた。たったひと口で、心まで充たされるようだ。