ヴァンパイアキッス
お互いに。


『そうなんだ。』


「けど同じクラスでしかも絶滅したと思った吸血鬼が仲間で良かった。1人だけだと思っていたし。」


その気持ちは痛いほどわかる。


祖先や両親、そして仲間もいないのだと思うと孤独で辛くてたまらなかった。


「狼男は牙も爪も鋭くて他の人間や怪物にはかなわねぇ体をしてるが吸血鬼には全く手に及ばねぇ。だって何にでも変身できて操れたりできるとかできないし」


『天気なんかも操れるなんていうけどあたしは頑張ってもコウモリとかフクロウとかしか操れないし。人間としていたいだけだから本当にダメな時にしか使わないわ。霜月くんとは仲間だし裏切られても何もしない。』


強い眼差しでそう言い切った。


『それに、他の怪物に類されるフランケンとかはもう絶滅して恐らくあたしと霜月くんしかもういないんじゃないかな?お母さんもあたしたち吸血鬼が滅びればもう怪物自体全て絶滅すると言ってたしお互いに殺されないよう子孫を残して頑張らないと。』


いつどこでこの会話を聞かれてるのかわからないし、殺されるのは時間の問題だと思った方がいい。


「でも、子孫を残すって言ったって俺達以外人間しかいねぇってことだろ?人間となんて俺は絶対嫌だし」


そんなこと言ったらもう絶滅して終わりじゃん。



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