ヴァンパイアキッス
「それはないよ、だって毛むくじゃらで人間っぽいのを見たって言ってたんだし!」


やっぱりみんな信じてるんだ。


どうしよう、羅稀。


こんなに噂が広がってる。


羅稀は学校では身動きできないし、話すこともできないな。


そう思っていると羅稀がいきなり立ち出した。


「羅稀くんどうしたのー?」


そう女の子たちに聞かれても無視であたしの方向へと歩いてきている。


あたしに、用?


「梓姫、ちょっといいか?」


やっぱりあたしに用だった。


『じゃあ屋上行こう』


あたしたちは教室を後にした。


隣にいた凜音どころかクラスみんな驚いている。


そりゃそうだよ、ね?


だって今まで誰とも話さなかったのにあたしに話しかけて。








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