ヴァンパイアキッス
体勢がきついし何より羅稀の顔がすぐ近くにあってドキドキして動揺したから少し動いた。


ドンッーーーー。


「音出すなよ」


そう言いながらあたしを抱きしめた。


え、えっ!?


「確実にネタになるのに…。ほら、探すんだ!」


まだいる…。


ここまで追うほどのことなの?


何も知らないこの野次馬はいいよね、ノコノコと平和に暮らせて。


あたしは殺されるかもしれない恐怖に包まれてるのに。


…でもそんなこと考えるよりもあたしたちのこの体勢でしょ!!


『明日も来たら嫌だよ……。ねぇ、羅稀。だって、今度こそ確実に………ん!!?』





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