ヴァンパイアキッス
「…梓姫」


聞き覚えのある低いトーン。


あたしは振り向かずに下を向く。


「俺の方向いて?」


『やだ...っ!』


見られてたんだ。


「梓姫、」


『うぅっ……』


泣きながら羅稀に抱きついた。


羅稀の体温はとても温かくて愛おしいほど。


離れたくないよ…
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