この世界はハッピーエンドじゃ終われない。
第2章/しろた×白谷
どういうことだ。
ヤバい、非常にヤバい。
しろたさんが居なくなった。
これは夢か?
どうか誰か夢と言ってください。
確かに、いつも通り、しろたは散歩に行った。
いつもなら夕方には帰ってくる。
なのに!現在時刻午後8時15分!
これは夜って言うんだよな。
とりあえず私は近所を探してまわった……。
☆★☆★
次の日、昨日結局しろたは見つからなかった。
そりゃあ、テンションも上がるはずがない。
休むつもりだったが、兄に家を追い出された。
……自分だって引きこもりのくせに。
教室に着いた。
そういえば昨日の事もあり、数学の宿題をやるのを忘れてた。
だが、今の私には問題を解く気力すら残ってない。
……亜里沙のノート、コピペするか。
「亜里沙さーん、ノート貸して〜。」
「そんなやる気のカケラもない声で言われても困るよ。」
「そこなんとかお願いしますよ〜。」
「はいはい、今取ってくるから待ってて。《昨日何かあったなこりゃぁ》」
……気使ってんのバレバレですよ。
亜里沙は優しいな。
ノートを持って亜里沙が戻ってきた。
「はい、これノート。」
「あっありがとー。」
私はノートを受け取った。
……あとで何かお礼しとかなくちゃな。
☆★☆★
なぜだ、なぜこうなった。私は今クラスの女子に睨まれている。
事態はホームルームの時間にさかのぼる。
私は、いつものように無駄な先生の話を聞き流していた。
するとどうやら転校生とやらが来たらしい。
名前は確か“白谷 祐也”だったような……?
まぁその白谷(?)を先生は、くじで運良く座れていた1番後ろの角を座っている、私の後ろに座る様に指示した。
なんとか私の交渉によって角を取られる事はなく、私の前の席となった。
……そして今に至る。
まぁ視線が痛いその理由は皆様の頭上にかいてある。
《なんで白谷君の後ろに長谷川が居るんだよ。》
そりゃあ 珍しくうちのクラスにイケメンが来たのだ。
しかも、多分地毛で、なんか白い髪の色してるから目立つし。
私の事を恨む気持ちも分かる。
だが!今日はテンションガタ落ちなんだから本当やめて!
私は無心になって、1限目を切り抜けた。