恋愛狂想曲
「心優、携帯鳴ってるー!!秀君から?」
「あ、うん。そうみたい。」
アタシは手で謝りながら、電話に出る。
「……もしもし。秀?」
アタシの耳に、一瞬、雑音が聞こえてから、
「……心優?」
愛おしい人の声。
「うん。おはよう」
「おはよー!!眠そうだなー?」
「アタシ、朝は苦手だって言ったでしょー?」
「ははっ!俺は毎朝5時にジョギングしてるぞー!!」
……なんか。
体育のお兄さんみたいなんだけど。
「秀は元気そうだね。」
「うん。アンパンマン並みに元気ー!!」
「アタシも元気だよ。」
携帯からは、チャイムの音が聞こえて。
「あ、もう始まるわ。またねー♪」
アタシが答える前に切られる電話。
ーー自分からかけてきたくせに。